滋賀県から初めてのブラジル友好交流教育使節団一行七人が七月三十一日から来伯し、八日間にわたってブラジルの教育機関などを視察訪問している。一行は、一日午後七時から聖市アクリマソン区にある滋賀県人会(山田康夫会長)会館で行われた伯側教育関係者ら五人との二時間半にわたる座談会に出席した。日本側の教育実情を説明するなど率直な意見交換を実施。県内で就学する日系ブラジル人児童の対応などに役立てる考えだ。
来伯したのは、高島市立マキノ東小学校校長の川崎功氏、東近江市立御園小学校教頭の廣田幸子氏、長浜市立南郷里小学校教諭の北川祐子氏、湖南市立水戸小学校教諭の永井しのぶ氏、甲賀市立伴谷小学校教諭の國實(くにざね)由香里氏、滋賀県国際課参事の森本真智子氏、同主査の高木和彦氏の七人。
一日の座談会には、伯側から日系出稼ぎ支援団体(ISEC)の吉岡黎明会長、日本語教師の五十嵐松酒早苗クリスチーナ氏、心理学博士の中川柳田郷子氏、サンパウロ大学文学部准教授の松原礼子氏、元農務大臣特別補佐官の山中イジドロ氏の五人と、山田会長ら三人の県人関係者が立ち会った。
滋賀県側からは、日系ブラジル人子弟への教育について、言葉・文化や習慣の違いからくる理解不足と、高等教育への進学や就職が困難となっている現状などが報告された。
これに対して伯側からは、日系人を対象に特別授業を行う「取り出し教育」そのものが、日系児童の自尊心を傷つけると説明。日本人教師の熱心さとは裏腹に、効果が上がらないことなどを指摘した。
また、日系児童に対して「日本のルールを守らせることは必要」(松原氏)と強調。その上で、教師が過保護的に教えるのではなく、教材カードなどを児童自身に作らせたり、日本人児童との遊びの中で学ばせる必要性も説いた。
また、これまで各地方自治体からの教育関係者がそれぞれブラジルに視察に来ている状況の中、「日本は横のつながりができておらず、せっかく持って帰った情報をその地域だけにしか生かせていない」との意見も出された。
さらに、伯側から日系児童用の教材など「何か必要なものがありますか」との質問に、滋賀県側からは「日ポ両語の教科書や絵本などがあれば、ぜひ欲しい」との声も聞かれた。
森本参事は座談会の成果として「本当に参考になりました。滋賀県内で出来ることから、少しでもやっていきたいと思います」との意気込みを示していた。
一行は、二日までサンパウロに滞在してスザノ日伯学園や日本語センターなどを訪問。三日から六日までポルトアレグレで公立学校などを視察後、七日にリオに向かい、八日帰国する。
2008年8月6日付
|